別邸 内庫所

 

 

 

 

 

別邸 内庫所の構造

継ぎ目のない長押と鴨居
間(約9m)の長押と鴨居は、なんと継ぎ木ではない一本 の木が使われています。(別邸内庫所/葵の間)
四方柾目の床柱
鍋島藩御用林の用材は見事なまでに美しく、豪華です。『老松の間』の床柱は4面すべてが柾目(まさめ)の、最高級の用材が使用されています。(別邸内庫所/老松の間)
千本格子の欄間
長い歳月をかけて、乾燥させた用材だからこそ、いつまでも美しく保たれています。(別邸内庫所/葵の間、老松の間)
木造2階建て 延べ面積 1073平方メートル

別邸 内庫所の歴史

鍋島家第11代直大公の佐賀別邸として大正5年より5年の歳月を要し、建築され、その用材は佐賀市の北、北山の鍋島家御用林より調達したもので、その豪華さは鍋島家の伝統を物語るものがあります。
当時佐賀地方で行われました陸軍演習の折、天皇陛下のご来臨を賜りました由緒あるものであります。その別邸を原形のまま当ホテルに移し、現在に至っております。特に「老松の間」は直大の居間、隣の「白菊の間」「桔梗の間」は奥方の居間として使用され、昔を偲ぶものがあります。
尚、当時その管理を司る事務所があったため、一般に内庫所と呼ばれていました。

佐賀藩第11代当主直大公 鍋島 直大(なべしま・なおひろ) 1846~1921
  • 幕末・明治期の佐賀藩主・藩知事
  • 外務省御用掛
  • イタリア駐在公使
  • 国学院大学学長
  • 公爵
  • 大正10年没(享年76歳)

激動の幕末にあって、肥沃な土地による豊かな農作物と有明海産物、陶器などの名産などで潤沢な財政を確保し、雄藩で初の軍艦を購入するなど雄藩屈指の軍事力を備えた。当時の日本でも屈指の軍備力を誇った佐賀藩兵を保有した直大は、戊辰戦争にて活躍の場を得る。朝廷の命を受け、佐賀藩兵を上野・東北戦線に派兵、大いに活躍させる。
当時、フランス管理下にあった横浜造船所を受領し、藩兵に守らせるなどした。